「父に届け、雲の軌跡」 ハクタイユー(偽)系で往く白毛馬挑戦録 第34回
- 2023/01/28
- 16:00
2020年
ダートの1600と芝の3200を勝利するジュディッタ。
ファンからは変態扱いされる。
2歳女王アウレオラ。牝馬クラシックの初戦桜花賞こそ落とすものの……
後の二冠はしっかり勝利。一部では準三冠牝馬とも呼ばれる(九郎としては未練がましくてあまり好きではなかったが)
一方の牡馬クラシック。ウェルメイドプレイは残念ながらその他大勢に埋もれる。
皐月賞で掲示板を外した後は京都新聞杯で2着になるもダービーは厳しいという陣営の判断でJDDに出走。
この采配がピタリと当たって見事勝利。
菊花賞でも3着に入り古馬での活躍を期待させる。
その頃、同期の3歳牝馬ヴェリンスカヤはというと……
前年のクラシック馬ディグニティゴルヴの全妹に相応しい走りでトリプルティアラを達成。
そして10月5週。
トリプルティアラのヴェリンスカヤ。
フェブラリーS勝ち馬ジュディッタ。
現在の日本ダート界でも屈指の二頭を送り込んでBCクラシック制覇を狙う九郎。が……
カーリン産駒のグローバルキャンペーン快勝。
勝ち時計は1.57.00。こんなタイムを出されたらどうしようもない。
けれどもヴェリンスカヤは帰国後チャンピオンズCを勝利。
「やっぱりあの時のサンタアニタ競馬場が魔境だっただけだな」と九郎は巡り合わせの悪さを痛感しながら口取り式に参加。
メイヴンデフトも3歳ながらドバイゴールデンシャヒーンで掲示板に入ると米国のGⅠを2勝する活躍。
しかし距離は1700mまでが限界であり、陣営はレース選択に頭を悩ませる事になる。
上半期、GⅠで善戦するグルースドラコ。
「これなら近いうちにGⅠを勝てそうだ」と九郎はほくほく顔だったのだが……
小島師の見立て通り小倉記念では18着と惨敗。泣く泣く引退が決まった(幸いにも種牡馬入りの目途は立っていた)
河島千歳の娘で九郎の孫にあたる佳子が騎手デビュー。
九郎「よーし、お爺ちゃんお祝いに素質馬をあげちゃうぞ~」
アインツェルゲンガの主戦を孫にする九郎。良い馬を若手騎手に宛がうのはこれまで何度もあった事なのでいい加減ファンも慣れたもの。
いきなり負けてプレッシャーを感じてほしくない、孫に激甘な九郎の判断でデビューに未勝利戦を使ったアインツェルゲンガ。
終始ハラハラしていた九郎とは対称的に危なげなく勝利。
珍しい親子ワンツーに一部からは「ラビットじゃないか?」と冗談混じりに囁かれたが、重賞はともかく倅の平場の騎乗予定など九郎はチェックしていないので完全に偶然である。
そんなアインツェルゲンガの次走は紫菊賞。
最低でも掲示板には入れるだろうと高を括った九郎は応援馬券を大量に購入していたのだが……
レース中に喉鳴りを発症。まさかの最下位。
九郎「ドクターK(歌劇)!」
治療後のアインツェルゲンガは京都2歳Sで2着、ホープフルSで5着。
ファンやマスコミは藤田菜七子以来の女性GⅠジョッキー誕生が現実味を帯びてきたと盛り上がった。
親子で無敗クラシック三冠を達成したコントレイルはジャパンCで古馬との初対決に挑む。
アーモンドアイとのマッチレースを制してGⅠ5勝目。
牡馬は小粒な傾向にあったディープ産駒にあっては破格の成績。
それがまるで天国のディープへの手向けのようで、ファンの涙腺は思わず緩む。
九郎(テンマヘルプがまた善戦……)
有馬記念はディープ産駒が1着から3着を独占。
普段は「はいはいディープディープ」と悪態を吐く層もこの時ばかりは素直に勝利を讃えた。
武豊、空前絶後の5000勝。
短距離路線はグランアレグリアに蹂躙され、ダートと天皇賞もゴリウーに制圧された。
その結果、最優秀4歳以上牡馬に選出されたのは今年1勝のみのダノンキングリーといういささか寂しい結果。
年度代表馬は全会一致でコントレイル。
九郎(📞君ってドクサ系だったんだ……)
エクリプス賞ではヴェリンスカヤが最優秀3歳牝馬に。
ユナイトアッフェアーとレイチェルアレクサンドラのような事は早々起きる筈もない。
九郎「全体的に高齢化してるが、次の世代はカロルスフェルトやエピファネイア、キズナが引っ張ってくれるかな」
最終的にはGⅡGⅢを1勝ずつで引退となったグルースドラコ。
種牡馬では巻き返してくれと九郎は願う。
競走成績
・グルースドラコ
川崎記念 2着
ランヴェットS 2着
シドニーC 4着
天皇賞(春) 6着
帝王賞 7着
小倉記念 18着
・ジュディッタ
フェブラリーS 1着
大阪杯 2着
天皇賞(春) 1着
宝塚記念 11着
ボーリンググリーンS 1着
パシフィッククラシック 5着
ニッカボッカS 2着
BCクラシック 6着
有馬記念 8着
・ウェルメイドプレイ
若竹賞 1着
若葉S 5着
皐月賞 6着
京都新聞杯 2着
ジャパンダートダービー 1着
セントライト記念 8着
菊花賞 3着
チャレンジC 1着
有馬記念 5着
・メイヴンデフト
バージナハール 2着
ドバイゴールデンシャヒーン 4着
ラザロSバレラ記念S 3着
ウッディーステファンズS 1着
サンディエゴH 13着
ビングクロスビーS 4着
サンタアニタスプリントS 4着
BCダートマイル 4着
ミスタープロスペクターS 3着
マリブS 1着
・アウレオラ
共同通信杯 1着
桜花賞 2着
オークス 1着
ドワイヤーS 3着
ベルモントオークス 1着
ハスケルS 2着
紫苑S 1着
秋華賞 1着
エリザベス女王杯 1着
有馬記念 2着
・ヴェリンスカヤ
フェアグラウンズオークス 1着
アッシュランドS 1着
ケンタッキーオークス 4着
エイコーンS 1着
ロスアラミトスダービー 1着
CCAオークス 1着
デルマーマイル 7着
アラバマS 1着
レイベンランS 2着
BCクラシック 4着
チャンピオンズC 1着
・イェルザレム
新馬戦 1着
もちの木賞 2着
朝日杯 3着
・アインツェルゲンガ
2歳未勝利 1着
紫菊賞 13着
京都2歳S 2着
ホープフルS 5着
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