九郎「俺からクロスマークにニンジン8本をプレゼント」
3歳牝馬クラシック。昨年末の陣営の危惧は的中。
2歳女王フロレゾンソレイユ、ブエナビスタの鬼の末脚の前に散る。
競馬ファン「河島の倅がまたアンカツに負けとる」
騎手が悪いよ騎手がー、という民度の悪い声が囁かれる中で陣営は奮起。1馬身半で負けた前走のリベンジに2馬身差をつけて樫の女王の座をもぎ取る。
秋になっても二頭は1勝1敗と互角の戦い。
あ、ぷいきゅあだべ!
年末には最優秀ライバル対決に選ばれるなど、一進一退の激闘は競馬ファンの胸を熱くさせた。
リードアクター&ストレンジワールド「チッ」
スペシャルウィークの仔が活躍していた頃、リードアクターの仔はというと……
九郎「ウワーッ!」
新旧ダービー馬の対決はウオッカに軍配が上がった。
決して弱い訳ではないのだが、古馬になってからもバリバリ勝ち星を重ねていたプロタゴニストと比べると尻すぼみな印象は否めないクロスマークだった(プロタゴニストと比較して見劣りしない競走馬がどれだけいるのかと問われると窮してしまうが)
2歳戦ではカンナカムイがGⅠ勝利。
早くも親子で無敗三冠が見えてきた! とKRAはかかり気味になる。冷静になれるといいのだが。
一方でフロレゾンソレイユの全妹ブランシュミネットはアカイトリノムスメノハハオヤアパパネに敗北。
更にレース後に脚部不安が発覚するのだが……
歌劇「かつては脚部不安で不本意な成績しか残せない馬も多かった。でも今は違うわ(ギュッ)」
九郎「ありがとうドクターK!」
昨年末に繫殖牝馬を引退した名牝サルジュアミールの孫サルジュマルジャナはドバイで快勝。
世界レベルの実力がある事を証明した事で意気揚々と欧州に乗り込み、そこでも連勝(キングジョージではドバイで下したシャンゼリゼ相手に初敗北を喫する事もあったが……)
――1990年のサルジュアミールの3着から19年。
その末裔がロンシャンに立つ。
日本競馬の悲願とも言える世紀の一戦。その結果は――
スピードシンボリの挑戦から40年。遂に日本競馬は世界に届く。
一部ではWHCのBCターフに向かったシーザスターズがいれば勝負は分からなかったという声もあったが、所詮たらればの話である。
ウッ……
???「誰だい!? このイケメンでギャグも上手い天才ジョッキーは!」
九郎はダイシンボルガードしようとした所を関係者一同に取り押さえられる。
綿兜「あっ一発で(オーナーの頭が)壊れたッ」
レース後、九郎はパリの古城ホテルで関係者だけでなく日本から来ていたマスコミや応援団を招いて大規模な祝勝会を催した。
その場で九郎はベロンベロンに酔ってアミールが生まれてからマルジャナが凱旋門賞を勝つまでの話を延々とリピートし続けたが、流石にそれを咎める者は誰もいなかった。
綿兜「次は息子さんの騎乗馬で勝ちたいですね」
九郎「まあねぇ。ただ……マルジャナに乗ってたのが千歳だったら勝てたかどうか。日本競馬はトップ騎手にばかり素質馬を集めるせいで若手や中堅が経験を積めないのが難点だ」
帰国後、マルジャナは有馬記念を圧勝。
九郎「マルジャナこそ真のゴリウーだ!」
皐月賞を勝ったテンマアグリは九郎の所の生産馬で血統は父リードアクター、母父サンライズジャダナ。
九郎「ローレルゲレイロはキングヘイロー産駒か。グラスワンダーも結果を出してるしやっぱすげえぜ黄金世代!」
国内では一走しかしていないので陣営は一抹の不安を抱えていたが無事年度代表馬に選出。
綿兜「ウオッカの有馬記念の成績次第では年度代表馬ウオッカ、マルジャナが特別賞という可能性もありましたね」
九郎「ウオッカが評価されれば同時にレウコケファラの評価も上がるからそれでも……いやでもやっぱり年度代表馬の称号は欲しい!」
九郎「サンデーの勢いは衰えないな、本当」
綿兜「馬産地ではディープインパクト産駒の幼駒の評判も上々のようなのでSS旋風はまだまだ続きそうです」
綿兜「しろげではなくあしげですがディグニティゲスト産駒がトリプルティアラを達成したそうですよ」
九郎「レウコケファラもそうだったがフィリーサイアーなのかな、あいつ。にしてもこの成績なら当然エクリプス賞の最優秀3歳牝馬に選ばれたんだろ? 牧野娘に頼んでお祝い送ろうかな」
綿兜「いやそれが……」
九郎「レイチェルアレクサンドラ、プリークネスSとハスケルSか……」
九郎「イントラムロスもそろそろ引退させるべきなんだが、後継が生まれねえ……」
オグリキャップやサクラチヨノオーという歴史的名馬と渡り合ったイントラムロスの父系が途絶えるなど、九郎にとって許せるものではなかった。
今年は4歳コンビが引退。どちらも5歳でも十分戦えそうだったので九郎もギリギリまで悩んだが、やはり本来の役割はレースに勝つ事ではなく血を繋げる事だと引退を決断。
入厩は以下の二頭。
フロレゾンソレイユとブランシュミネットの全弟レクスソール。
九郎「姉達と比べるとちょっと劣るかもしれないが、それでもクラシックの一つは獲れそうだ。金色の暴君でもいない限り……!」
ストレンジワールドの半妹のシナイード。不安も残るが動きの良さは同世代の中でもピカイチ。
・クロスマーク
ジェベルハッタ 3着
ドバイターフ 2着
カリフォルニアンS 3着
マンノウォーS 2着
宝塚記念 2着
ボーリンググリーンS 6着
フォースターデーヴH 1着
毎日王冠 3着
天皇賞(秋) 4着
マイルCS 2着
・サルジュマルジャナ
ドバイシティーオブゴールド 1着
ドバイシーマクラシック 1着
エドヴィユ賞 1着
タタソールズゴールドC 1着
ハンザ賞 1着
KGVI & QES 2着
ヴェルメイユ賞 1着
凱旋門賞 1着
有馬記念 1着
・フロレゾンソレイユ
クイーンC 1着
桜花賞 2着
オークス 1着
ユジューヌアダム賞 1着
ドイツオークス 1着
プランスドランジェ賞 2着
バーデン大賞 2着
秋華賞 1着
エリザベス女王杯 2着
スワニーリヴァーS 1着
アメリカンオークス 1着
・カンナカムイ
新馬戦 1着
ベゴニア賞 1着
ホープフルS 1着
・ブランシュミネット
新馬戦 1着
りんどう賞 1着
東スポ杯2歳S 2着
阪神JF 2着
ウイポ
Winning Post 9 2022
ウイニングポスト9
WP9 2022