「サイアーオブサイアー ハクタイユー」 ハクタイユー(偽)系で往く白毛馬挑戦録 第22回
- 2022/11/19
- 16:00
2008年
バレンタインで大量のニンジンを貰ったルーキスオルトゥスは国内での格付けは完了したとして冬から春にかけて海外を転戦。
世界トップクラスのダート馬を名乗っても問題ない成果を残すのだが、ペガサス、サウジ、ドバイのどれか一つは獲りたかったというのが九郎の偽らざる本音だった。
九郎「コメンテーターとカーリンさえいなければ!(ギリィ)」
更に国内ではカネヒキリが復帰。
苦しい戦いが続くも――
チャンピオンズCを日本レコードで同一GⅠ3連覇の快挙。紛れもなく日本ダート馬最強の一頭である。
九郎「そんなオルトゥスですらサウジ、ドバイ、BCは勝てなかったんだよな……」
綿兜「彼の仔が勝ってくれますよ」
レウコケファラとダイワスカーレットの4回目の対決となった大阪杯。
レウコケファラが控えた結果ダイワスカーレットを楽々と逃がしてしまい6馬身差の大敗。
騎手の力量差を指摘する声も多く、河島千歳にとっては試練の時となった次走の天皇賞(春)
会心の騎乗でレコード勝利。
レウコケファラも皐月賞と菊花賞の二冠馬に恥じぬ激走。
後から入ったファン「牝4……誤植かな?」
その裏でウオッカがドバイターフ2着からのヴィクトリアマイル、安田記念の連勝。
九郎「ダービー馬をヴィクトリアマイルに出すなんて良識というものはねえのかよ!」
そして宝塚記念。
九郎も含めたファンは三強対決を期待したが、残念ながらダイワスカーレットが管骨瘤で離脱。
結果はレウコケファラが後続を完封して逃げ切り勝利。
牝馬による春天と宝塚の連勝はアルフレーダ以来。
競馬ファン「またドリームジャーニーが挟まれてる……」
そしていよいよ三度目となる三強の激突となった天皇賞(秋)
レウコケファラの春秋制覇がかかったレースだったが……
九郎「この大雨の重馬場で1.57.0を出されたらどうしようもねぇよ……」
ダイワスカーレットはこれで秋華賞、大阪杯、秋天と2000mのレースでは無敗。
ダイワスカーレットが香港のWHCに向かったので結果として三強の戦いはこれが最後となった。
レウコケファラは4歳での現役引退を表明しており残りはジャパンカップと有馬記念。
それらのレースでは去年の秋華賞以来レウコケファラに負け越していたウオッカがダービー馬の意地を見せる。
九郎(秋頃から衰えが見えていたが……それを言っても負け惜しみにしかならないな)
😷「ウワーッ!」
3歳戦。
ここまで無敗でクラシック最有力候補のクロスマーク。
しかし九郎は不安を隠せない。なにしろ祖父プロタゴニストは皐月賞とダービーでトウカイテイオーの2着、父リードアクターはスペシャルウィークの2着。
(他の馬主から怒られるだろうが)クロスマークの実力が世代トップだという確信がある。だからこの妙なジンクスを打ち破ってほしい。
必死に願いながら臨んだレースは――
九郎「よし! やっぱりお前は最高だクロスマーク!」
綿兜「やりましたね」
九郎「ああ!」
2008年の前半を最高の形で終わる事が出来た陣営。
祝賀ムードもすぎると考えなくてはならないのが後半のローテーションだった。
九郎「3000mは厳しそうだし、いっそ親子で3歳BC制覇を狙っちゃう? 秋天でもいいけど」
綿兜「それなんですが、皐月とダービーを見るにクロスマークが根幹距離を苦手としているのは確実なようなので非根幹距離のレースを使いたいです」
九郎「二冠馬が根幹距離がダメってのは正直半信半疑なんだが、長い付き合いだし信じてやるよ」
そんな訳でクロスマークはBCターフスプリントに出走。
この年、高松宮記念とスプリンターズSで春秋スプリント制覇を達成していたキンシャサノキセキを退けるクロスマーク。
九郎が大はしゃぎしたのは言うまでもない。
牝馬クラシックでも一頭の牝馬が大暴れ。
九郎「うわ、つよ……」
サルジュマルジャナ、無敗で牝馬四冠を達成。
そのあまりの強さに九郎は祖母であるサルジュアミールのリベンジ、すなわち翌年の凱旋門賞への出走を決意する。
2歳戦ではレウコケファラの姪にあたるフロレゾンソレイユがその血統を証明するような鮮やかな走り。

綿兜「上手くインを突けたのは幸運でしたね」
九郎「でも2着のブエナビスタ、あの末脚は怖いなぁ。リードアクターが何度スペシャルウィークの末脚に屈した事か……」
九郎「古馬王道路線は全部牝馬が勝ってる……」
綿兜「最優秀4歳以上牡馬にマイルGⅠ1勝の馬が選ばれるなんて今後あるかどうか」
年度代表馬は国内GⅠ4勝のウオッカ。
リーディングでもタニノギムレットがサンデーの牙城を打ち崩す。
九郎「プロタゴニストも大分高齢になってきたけど後継はリードアクターで決まりかな?」
綿兜「それが馬産地ではハオプトロレが結構な評判のようで」
九郎「ほう?」
綿兜「プロタゴニストは産駒に遺伝するタイプの気性難で、それが競走馬にとってプラスに働く事もあるのですが生産者としてはあまり博打はしたくない。その点、ハオプトロレは自身の気性はともかく産駒にはスピードのみを伝えるので人気らしいです」
どちらも第二の馬生に期待がかかる。
レウコケファラと幾度とない激戦を繰り広げたダイワスカーレットも今年で引退が決定。
九郎「成績だけだとダスカが一番大人しく見えるがスペックでは三頭の中でトップだったな」
また繁殖牝馬ではサルジュアミールが引退。
ディープインパクトが現れるまで日本競走馬では最先着の凱旋門賞3着、繁殖牝馬としては3代に渡る牝馬三冠という未曽有の成績を残した。
以降は九郎が造った功労馬施設で暮らす事に。
競馬ファン「産駒のGⅠが24、名種牡馬だな!(錯乱)」
入厩は以下の二頭。
嵐の夜に生まれたシュンラン、カンナカムイとフロレゾンソレイユの全妹にあたるブランシュミネット。
そしてこの年には九郎を狂喜乱舞させる出来事が起きる。
九郎は種牡馬引退後功労馬として悠々自適な日々を送っていたハクタイユーの元を訪れて抱き着いた。
しかし喜んでばかりもいられない。親系統に昇格するほど繁栄しながら滅んだ系統は数知れず。
九郎は自分が健在の間はハクタイユー系を繋げていく事を誓う。
九郎「俺達の戦いはこれからだ!」
・ルーキスオルトゥス
ルイジアナS 2着
ペガサスワールドC 2着
サウジC 3着
マクトゥームチャレンジR3 1着
ドバイワールドC 5着
かしわ記念 1着
帝王賞 1着
パットオブライエンS 2着
ジョッキークラブゴールドC 5着
南部杯 1着
JBCクラシック 3着
チャンピオンズC 1着
・レウコケファラ
金鯱賞 1着
大阪杯 2着
天皇賞(春) 1着
宝塚記念 1着
デルマーH 2着
ソードダンサーS 1着
天皇賞(秋) 3着
ジャパンC 2着
有馬記念 2着
・クロスマーク
きさらぎ賞 1着
スプリングS 1着
皐月賞 1着
日本ダービー 1着
サンディエゴH 1着
サラトガダービー 1着
ヒルプリンスS 1着
BCターフスプリント 1着
・サルジュマルジャナ
クイーンC 1着
桜花賞 1着
オークス 1着
マルレ賞 1着
アイルランドオークス 1着
プランスドランジェ賞 1着
バーデン大賞 1着
秋華賞 1着
エリザベス女王杯 1着
・フロレゾンソレイユ
新馬戦 1着
ききょうS 1着
アルテミスS 1着
阪神JF 1着
ウイポ
Winning Post 9 2022
ウイニングポスト9
WP9 2022
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