「ハクタイユーよ、永遠なれ」 ハクタイユー(偽)系で往く白毛馬挑戦録 第20回
- 2022/11/07
- 16:00
恒例行事の豪州遠征でサグレスはGⅠ2着4回。
特にジョージライダーステークスではラモンティ相手にギリギリまで食い下がっての2着。しかし1着でなければどれだけ好走しても評価されないのが厳しい競馬の世界である。
昨年末の有馬記念に続きドバイ遠征でも掲示板を外し「早熟馬だったのでは?」と囁かれていたストレンジワールド、怒りの日本レコード。
未来の話になるが秋天もコースレコードで勝利。マイルCSも制して春秋マイル制覇。
どれだけディープの被害馬ぶってもこいつも蹂躙する側である。
しかし宝塚記念でのディープインパクトとの再戦では再び敗北。
着差ではこれまでで一番迫ったのだが……
二頭の戦いは秋のジャパンカップ、有馬記念でも繰り広げられるが、残念ながらストレンジワールドは最後までディープインパクトに勝てず。
陣営は来年度のプランも検討していたがレース後の消耗が想像以上に激しい事から4歳での引退が決定。種牡馬入りする事に。
九郎「競走馬にとっての本番はむしろこれから! レースで強い馬が必ずしも種牡馬として成功する訳じゃないからな。こっちでは勝たせてやる!」
いくらなんでもディープがSS並の仔出しな訳がないし、自分の牧場とクラブでバックアップすれば勝てるだろうと九郎は楽観視。
九郎「ディープさえいなけりゃGⅠ11勝だったんだがなぁ」
重賞には届かなかったリメインミリアドも今年限りで引退。
種牡馬になれるだけの実績はなかったが、そこはオーナーブリーダーの九郎が手元で繋養する事に。
種付け料はほぼ最低額になったが、むしろその方が中小牧場の需要を見込めるかもしれないと九郎は前向き。
クラシック有力候補だったライジングサンだが皐月賞3着、ダービー4着と前評判に応える事が出来ず。
しかし一方でこの二つのレースを勝てなかった事で陣営は思い切った行動に出る。
これまでのレースで重い洋芝への適性を見込まれたライジングサンを連れて久しぶりの欧州遠征を敢行。
その結果ドイチェスダービー制覇。
この勝利に気を良くした九郎はサルジュアミール以来の凱旋門賞に挑んだが結果は最下位(日本競馬全体で見るとディープインパクトがハリケーンランの2着になり日本馬の意地を見せたが)
ルーキスオルトゥス、チャンピオンズCでサンライザー産駒としては初のダートGⅠをコースレコードのおまけつきで制覇。
更に続く東京大賞典も7馬身差の圧勝。
年末には最優秀ダート馬にも選出される。
九郎「ま、カネヒキリが屈腱炎で離脱したお陰だと言われると反論出来ないが」
綿兜「プロタゴニストとトウカイテイオーの時も言いましたが、丈夫さも競走馬の実力の内ですよ」
2歳戦ではレウコケファラがデビュー以来3連勝。
九郎は次は阪神JFだと意気込むが、そこに綿兜が待ったをかける。
綿兜「九郎さん、レウコケファラですが阪神JFではなくホープフルSに出したいのですが」
九郎「レウコケファラなら牡馬にも負けないだろうけどなんでまた?」
綿兜「実は調教の感じだとステイヤーのようなんです。ご子息も同意見で」
九郎「……両親共にマイルGⅠ勝ってるんだが、これが競馬の奥深さか。いいよ、ホープフルに出そう」
そんな感じでホープフルSに出走したレウコケファラは牡馬を蹴散らして戴冠。
2歳女王にも選出されるが、レース内容からレウコケファラのステイヤー疑惑はほぼ確実となり陣営の顔は渋かった。
九郎「桜花賞、勝てるかな」
綿兜「他の世代なら素質で押し切れると思いますが、適性距離外のレースであの阪神JFの勝ち馬ウオッカに勝つビジョンが……」
九郎「だよなぁ。それならいっそ……」
ここ数年は他牧場からも安定して白毛のGⅠ馬が生まれるのでご満悦の九郎。
九郎「お、メジロデュポン産駒が種牡馬入りか。やっぱりサンタケリーの牝系は良いなぁ」
今年の入厩は二頭。
名牝中の名牝セシルゲストの血を継ぐサルジュマルジャナとホリゾントの全弟のクロスマーク。
九郎「お、ハクタイユーが15位だ。BMSの方は18位か~」
ランキングを見る九郎は大きな感慨を抱いていた。何故ならこの年でハクタイユーが種牡馬を引退するからだ。
九郎がハクタイユーを繋養した時、多くの競馬関係者は金持ちの道楽だと笑った。
白毛だけしか取り柄のない馬など種牡馬にしても一部の好事家が喜ぶだけだと。
九郎はそれらの言葉に反論はせず、しかし結果で黙らせた。
世界各地から繁殖牝馬を搔き集め、知人に声をかけて回りハクタイユーを喧伝した。
その努力は見事結実し、ハクタイユーは日本はおろか世界を代表する種牡馬となった。
多くの後継にも恵まれ、その血は永らく続いていく事だろう――
九郎「しかし、イントラムロスの父系が途絶えそうになるとは思わなかったぞ……」
綿兜「血そのものはセンテレオコロナなどを通じて残りそうですが、ここいらで大物の牡馬が欲しいですね」
競走成績
・サグレス
チッピングノートンS 2着
ジョージライダーS 2着
ドンカスターマイル 4着
ミュゲ賞 1着
ロッキンジS 2着
ヨークS 9着
モーリスドギース賞 6着
トゥーラックHC 2着
コックスプレート 2着
・ストレンジワールド
ジェベルハッタ 7着
ドバイシーマクラシック 6着
安田記念 1着
宝塚記念 2着
デルマーマイル 2着
ソードダンサーS 1着
天皇賞(秋) 1着
マイルCS 1着
ジャパンC 3着
有馬記念 2着
・リメインミリアド
中山金杯 10着
洛陽S 3着
福島民報杯 1着
鳴尾記念 5着
ジュライS 1着
札幌記念 8着
白山大賞典 3着
アルゼンチン共和国杯 9着
チャレンジC 7着
・ライジングサン
きさらぎ賞 1着
スプリングS 1着
皐月賞 3着
日本ダービー 4着
アイルランドダービー 3着
ドイツダービー 1着
イギリスセントレジャー 7着
凱旋門賞 16着
香港カップ 13着
・ルーキスオルトゥス
新馬戦1着
3歳1勝クラス 1着
伏竜S 1着
兵庫CS 1着
ユニコーンS 1着
ジャパンダートダービー 1着
パットオブライエンS 1着
ジョッキークラブゴールドC 8着
JBCクラシック 2着
チャンピオンズC 1着
東京大賞典 1着
・レウコケファラ
新馬戦 1着
サフラン賞 1着
京都2歳S 1着
ホープフルS 1着
ウイポ
Winning Post 9 2022
ウイニングポスト9
WP9 2022
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