「花咲く絶対的な未来へ」 ハクタイユー(偽)系で往く白毛馬挑戦録 第8回
- 2022/08/22
- 16:00
ウイポ
Winning Post 9 2022
ウイニングポスト9
WP9 2022
1994年
九郎「去年のプロタゴニストとトウカイテイオーの人気は凄かったな」
綿兜「あしげ……」
ニシノフラワー、プロタゴニスト、シンコウラヴリイ、ヤマニンゼファーといったマイルの強豪が軒並み引退した結果、この年の安田記念は海外勢に上位を独占される日本競馬屈辱の日として関係者の心に深く刻まれる事になる。
有力馬が一斉に引退した為、九郎の白毛軍団は苦戦を強いられていた(重賞をほいほい勝つのがおかしいのだが)
自信を持って送り出したメテオーラビアンカはGⅠを勝てず、若くして成功した九郎を妬む層はオワコン扱いしたのだが――
田面木騎手、150年の歴史を持つディアヌ賞を勝利。
綿兜「センドアギフトは欧州の重い芝の方が得意なようですね」
九郎「軽い芝はダメか?」
綿兜「アメリカの芝ならなんとか。日本はいささか厳しいです」
九郎「そうか。覚えとく」
九郎「ランポートがリステッドを勝って嬉しいが、それはそれとして万馬券が出てやがる……」
エルオーラスの全弟でエフィンジャー、サルジュアミール、スパーブリネージュ、フォースグローリーの半弟のテンマゲストが全日本2歳優駿勝利。
セシルゲストの名牝っぷりに各地の生産者は「うちもあんな牝馬が欲しいな~」と羨ましがる。
2歳戦ではサルジュザハブがホープフルSを制覇。
母父ハクタイユーの競走馬としては毛色に関係なく初のGⅠ馬誕生となる。
九郎「いやぁ良かった良かった。日本じゃ珍しいミスタープロスペクターの直仔だから競走成績がいまいちでも将来安泰だと楽観視してたら父ミスプロ、母父ニジンスキー、母の全兄にカーリアン、母母父ラウンドテーブルのスキャンが輸入されてきたからな。走りで結果を出さなきゃ種牡馬の需要がなくなる所だった」
3歳牡馬クラシックではナリタブライアンがシンボリルドルフ以来の無敗三冠を達成。
トレードマークのシャドーロールから「シャドーロールの怪物」と呼ばれるようになる。
同期との格付けを終えて古馬戦に挑む。ルドルフと同じように三冠馬による3歳有馬制覇が達成出来るか注目されたが――
――サクラの3歳馬が有馬記念勝利。競馬ファンはスターオーが背中を押したのではないかと囁き合った。
サクラローレル、皐月賞、ダービー3着、菊花賞2着と惜しいレースが続いていたが遂に玉座に届く。
3着のエアダブリンもダービー2着、菊花賞3着と来年が楽しみな成績。
九郎「拙者、クラシックで競っていたライバルが古馬戦でも活躍して互いの実力を証明する流れ大好き侍」
綿兜「ルドルフの時は同期が弱かったから三冠を獲れたという声もありましたが、今回はそんな声は出ないでしょう(BNWが揃って故障で回避したのでレベルに疑問を持つ声もあるようですが)」
それはそうと。
九郎「サクラローレルは持込馬、ナリタブライアンもエアダブリンもそれぞれの母親のパシフィカスとダンシングキイは輸入馬だから実質海外馬。4着のヒシアマゾンも〇外。日本血統の馬にも頑張ってもらいたいぜ」
綿兜(まあ、日本固有のサラブレッドなんていませんが)
九郎「BNWが古馬になってからも活躍してるのたまんねーな!」
綿兜「そんな3頭が揃って離脱するんですから怪我は怖いですね」
綿兜「あとはサクラバクシンオーがマイルの壁を克服しましたね」
九郎「まあ、父がサクラユタカーで母がアンバーシャダイの全妹、この血統でスプリンターなのが変だったしな。安田記念に出てくれてればなぁ」
九郎「で、そんな驀進王が最優秀4歳以上牡馬と短距離馬を受賞と」
綿兜「意外と言えば意外な結果ですね。短距離を軽視する記者も多いのでナリタタイシン辺りが来ると思ってました」
九郎「あと3歳牝馬がオグリローマン? ヒシアマゾンではなく?」
綿兜「芦毛が選ばれて嬉しくないと言えば嘘になりますが、これは流石に首を傾げますね」
綿兜「ダート馬に選ばれたエルデオドランはマッツィーニ産駒ですか。いや、本当種牡馬としても優秀ですね」
九郎「ただなぁ、地方馬のトウケイニセイに受賞資格がないから棚ボタで選ばれたって感じなのが……」
綿兜「無効だと分かっていてもニセイに投票した記者もいると烏丸さんや貴船さんが言ってましたね」
九郎「正直俺も記者だったらそうするかも。あと俺の前であの女の話はするな」
綿兜「アッハイ」
88年から93年まで6年間リーディングサイアーの座を守り続けてきたハクタイユーが陥落。
しかし九郎は気にしない。なにしろ――
ノーザンテーストやマルゼンスキー、トウショウボーイでも不可能だった系統確立。
テスコボーイやパーソロンと並ぶ偉業であり、内国産種牡馬としては史上初。河島九郎が偉大な先人達に並んだ瞬間であった。
今年はメテオーラビアンカが引退。
果敢に米国に挑戦するも壁の厚さに跳ね返されてしまった本馬(一応JBCレディスCLを勝って面目躍如したが)
血統は抜群なので母としての活躍に期待したい。
なおエルトムも種牡馬入り。
古馬になってからは七夕賞と小倉記念をサマー2000シリーズを優勝するがGⅠ勝利は叶わず。
代替種牡馬として活路を見い出せるか?
初年度から大人気のプロタゴニスト。
種牡馬としてはトウカイテイオーに勝ってみせると九郎は躍起になる。
入厩するのは以下の3頭。
クラシック三冠馬を母に持つストームオルカ、皇帝の姪のプリンキパリア、他二頭と比べると見劣りするがそれでも近親に桜花賞馬がいるサンライズジャダナと錚々たる顔ぶれ。
九郎「オルカはストームシャークでも良かったんだけど、それだとなんかB級映画っぽかったんで変えた」
綿兜「米国リーディングサイアーのストームキャット産駒、母も半兄もGⅠ馬。未勝利でも種牡馬入り出来そうな血統ですね。まあ、GⅠを狙える力はありますが」
競走成績
・ロバストランポート
銀蹄S 1着
ポラリスS 6着
ブリリアントS 6着
パラダイスS 1着
中京記念 4着
朱鷺S 3着
グリーンチャンネルC 8着
オータムリーフS 3着
・メテオーラビアンカ
フェアグランスオークス 1着
アッシュランドS 2着
ケンタッキーオークス 2着
エイコーンS 8着
CCAオークス 2着
クレメントL.ハーシュS 7着
パーソナルエンスンS 4着
レディスプレリュード 1着
JBCレディスCL 1着
フォールズシティH 3着
ラブレアS 4着
・センドアギフト
フラワーC 1着
桜花賞 2着
ミュージドラS 1着
フランスオークス 1着
ドイツオークス 4着
ジョッキークラブオークス 6着
クイーンエリザベスⅡCCS 2着
・サルジュザハブ
新馬戦 1着
ヤマボウシ賞 1着
アイビーS 1着
京都2歳S 2着
ホープフルS 1着
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