WP9 2022 獅子井牧場奮闘記 90年代前編「田中勝春の受難」
- 2022/06/10
- 01:00
ウイニングポスト ウイポ
1990年
「セルリアンが重賞を勝って織月さん喜んでたね」
「うちみたいなオーナーブリーダーでもないのにかつての愛馬の仔で重賞勝利するなんて大した女だ」
「フェアリーの血を繋げるって張り切ってたもんね」
「ファバージ産駒でトウショウボーイの半弟という良血に加えて勝ち鞍が少ない事による種付け料の安さがむしろ追い風になってるな。重賞馬を出した事で一回くらいは試してみようとする牧場も出てくるだろうし、うちでも一頭くらい確保しておくと後々面白いかも」
(この秘書に恥じらいなんてある訳ねーよな)
「このライバル対決は熱いな。古馬女王の座は貰ったが」
「見てよリッチー! 牝馬がBCクラシック勝つのって史上初だよ!?」
「斤量差があるとはいえサンデーサイレンスとイージーゴアに勝つのか……時計も2分切ってるし流石はダリアの姪」
「うぁぁぁ べ…米国の2歳王者が川崎を練り歩いてる」
「ザナドゥの種付け数が伸びないからってアメリカから呼んだのリッチーじゃん」
「それはそうなんだけど。あ、地方だけじゃなく中央の馬主からも「お前空気読めよ」って視線が突き刺さる……」
「まあ、お客さんは喜んでるから良いんじゃない? スミス騎手もサインねだられてたみたいだし」
なおこの時、一部の馬主はマイク・スミス騎手に騎乗依頼を受けてもらう事に成功。
長らく川崎競馬場の語り草となる。
1991年
「え、ステラの仔に田中騎手を乗せてほしいって? もう、仕方ないな、愛理ちゃんは」
「ライス、お前は良い子だなぁ(ナデナデ)」「的場騎手に乗ってもらえる事になったんだ。頑張ろうな」
「乗馬……? GⅠ11勝したシシィマジェスティに乗ってみる?」
「ハハハハハハハ! 見ろよ、このライスの黒くて美しい馬体。羨ましいだろ、鳳ィ! まあ、ライスが種牡馬入りしたらちゃんと種付け権は売ってやるから安心しろ」
「ロベルト系のスタミナとニジンスキー系のスピードを併せ持てば必ずデカい所を獲れる! ……でも父リアルシャダイで母父マルゼンスキーは脚部不安が怖い。高松先生に定期的に見てもらわないとな」
「追放された種牡馬をリーディングサイアーにするの最高だな。今更後悔してももう遅い」
世界的に有名な"獅子井牧場のオーナー"は零細血統を保護する異常馬愛者を気取っていたが真実は有力馬の拉致を繰り返してきた強盗クソ野郎だった。
恥ずかしげもなくリーディングサイアーを座敷牢に監禁して自分の牧場を大きくしていった。
ハッキリ言ってホースマン的にはクズの部類に入る。
「欧州や米国に比べると色んな系統の馬が活躍してて良きかな良きかな」
「ヒズマジェスティの系統確立でザナドゥの種牡馬価値も上がる筈……!」
「シシィステラ90の名前はアミクスにするか。シビエンに続くペキンリュウエン産駒の大物になってほしいぜ」
1992年
(今度の秘書はまともだと良いな)
「マッチレスネイティヴの血統はやはり良い。ミスプロの父であるレイズアネイティヴが入ってる以外はアメリカじゃマイナーだから種牡馬としても期待出来る」
「ちょっと????? おい、どうなってんの? え、いや、そっちで種牡馬入りさせるから。うん」
「ザレスの種牡馬入りの話どうだったの?」
「それがさ、
米国「え、日本で種牡馬になるんじゃないの?」
日本「え、米国で種牡馬になるんじゃないの?」
みたいな行き違いが発生してたみたいで。俺は最初から米国で種牡馬にするつもりだったのに、なんでこんな事に……」
「リッチーが川崎で走らせたからじゃない? あっちじゃ2歳引退で種牡馬入りも珍しくないし、お披露目だと思われたとか」
「……」
1993年
「勝春君、うちの娘は本当にアミクスの事を大事にしてるんだ。……分かってるよね?」
弱冠22歳の若武者田中勝春に訪れる苦難。
プレッシャーをかけてくるクソ馬主に屈せずなんとか新馬戦を勝利。
ほっとしたのも束の間、更なる悩みの種が生まれた事を彼はまだ知らない……
コーエーテクモルナ(腐)「😇😇😇」
「やるじゃない勝春君。この調子でお願いね。あと今年のうちにパスポートを取っといて」
「来年から海外遠征行っちゃう?」
「76年の改革以降、ダート路線は以前とは比べ物にならないほど整備されたが、それでもやはり種牡馬になるなら芝の実績は欲しい。アミクスは欧州の深い芝の方が得意みたいだし」
「織月和佳奈や結城江奈から「活躍させて種牡馬入りさせろ」って圧がすごい」
「リヴァーマンにプレザントコロニーが系統確立か。日本の種牡馬も負けてられないぜ」
1994年
「田中騎手、ありがとねー! うちの娘も喜んでるよ」
「いやぁ、JDD以降勝てなかった時はどうなるかと思ったがひとまずは安心した。岩手の魔王(トウケイニセイ)が東海S→フェブラリーSのローテだったので助かったな。あれには勝てるビジョンが思い浮かばない」
「センセイ!」
「途中まではトップだったんだけどな。ってか勝ったのうちの生産馬じゃん」
「ライリは去年生まれたシビエンとの仔も評価高いよね」
「これで満足か、織月、結城!?」
「織月さんはこれで栗毛ならなお良かったって言ってたよ」
「うるせえ!」
「うん、スプリントの実績は重要だ。デカい所が勝てなくても最悪地方向けの安い種牡馬としての道もあるな」
「アメリカでハードバージ系が隆盛するのも与太話じゃなくなりそうだな」
「ザレスも人気みたいだね。牝系がアメリカでは馴染みが薄いから肌馬を選ばないって」
「母父マグニテュードからスーパーフェクタが出るなんてイギリス人もビックリだろうぜ」
「しかし、今の世代はまだ良いが次やそれ以降になると血が濃すぎて繁殖相手に困るな。リヴリアやデインヒルを導入したけどこれだけでは限界がある。零細から良い種牡馬が現れないかな、ヒムヤー系辺りで」
「見ろ! これがスターロツチの2×4の力だ!」
「勝ったぞ! マルゼンスキーでもやれなかった系統確立だ!」
父ロベルト、母父ノーザンダンサー、伯母にダリアという超良血馬。
名前の由来はダリアのような牝馬になってほしいという願いからタヒチの花である「ティアレ」。一部ネットで囁かれているティアラの誤字というのはデマである。
幼駒時代から柵を飛び越えるなどその血統に違わぬ素養を見せつけ、圧倒的な実力でトリプルティアラを達成。
更に翌年には牝馬として最初にBCクラシック制覇。ダート界の頂点に立つ。
母としても母娘トリプルティアラを達成するネヘネヘ(キャルバージ)を生むなど非の打ち所のないパーフェクトホースであった。
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