愛憎依存百合無理心中
- 2022/04/18
- 12:00
私と麗奈はウリ仲間。一緒に金持ちのおっさんをカモにして小遣い稼ぎをしていた。
彼女の家、というか母親は毎年名字が変わるヤバい女で私のとこは子供に予防接種させずに母子手帳を捨てるような家。
クソみたいな家庭環境のせいで共に学校からは浮いていたが接点はなかった。しかしラブホでばったり会ってからは時々つるむようになった。
多分私は彼女にシンパシーを抱いていたんだと思う。幸せにはなれそうにない人生だけど麗奈と一緒に落ちぶれるならそれはそれで悪くない。
麗奈は男から金を巻き上げることしか頭にない悪女だったが、たまに私に金を渡してきた。私がセックスしてやると喜びながら「あたしのこと好き?」とか聞いてくる。
私が「うん」と答えると満足そうな顔をする。そして「ありがとう」と言ってキスをするのだ。
そんな彼女が愛おしかった。求められている事に充足感があった。彼女もきっと同じ気持ちだったはずだ。私たちは二人でいれば何も怖くなかった。
だがそんな日々は突然崩れた。麗奈は彼氏ができたと言った。相手は年上のサラリーマン。
「結婚するつもりなの」
「は?」
「だから、結婚しようと思ってるの。あたしの過去を知っても好きだって」
「……」
呆然とする私を気にも止めず麗奈は僅かに顔を赤らめて続けた。
「あんたには本当に感謝しているわ。あんたがいなかったらもっと自暴自棄になってたと思うから」「……」
私はなんと返答したかは覚えていない。その日の夜、私は初めて自分の人生を振り返り涙が出た。
こんなはずじゃなかったのに……! どうしてこうなったのか……。
それから麗奈は家を出て彼氏のマンションに転がり込んだ。売春もあっさりやめると「料理の腕を磨きたいから」なんて言って飲食店でバイトを始めた。私は完全に置いてけぼりを食った。
高校を卒業するといよいよ麗奈とは疎遠になった。私は風俗嬢として生きていく事を決めた。客の男を捕まえて金を搾り取るだけの簡単な仕事だ。もうどうにでもなってしまえと思った。
麗奈との思い出を振り切るように私は必死で働いた。ある日、私は客の一人に誘われて高級クラブで飲む事になった。酒を飲み始めてしばらくすると男が私の肩に手を置いて言った。
「ねえ、俺の愛人にならない? 君可愛いしさ」
好みではなかったが、金が手に入るならそれでいい。だから適当に話を合わせてホテルに行った。
それが運の尽きだった。SMプレイがしたいというので大人しく縄で縛られた私に男はおかしな薬を注射した。意識が混濁していく中、自分が自分でなくなるような感覚に陥った。やがて全身の自由がきかなくなり、気が付けば男の目の前で四つん這いになっていた。そして発情期の雌犬のように腰を振る自分に絶望した。
「うぅ……ああぁああっ!」
あまりの惨めさに私は泣き叫んだ。
それからも私は何人もの男と関係を持った。楽しくもないし辛くもない空虚な気持ちが胸を埋める。
そんな中で麗奈と再会する事となった。彼女はすっかり変っていた。化粧っ気のない地味な顔立ちになり薬指には指輪が光っていた。
「久しぶりね」
そう言うと麗奈は私の頬に触れてきた。
「元気にしてた?」
「……まあまあ」
「そっか」
麗奈は微笑んで私を見つめた。何年ぶりだろう。懐かしさと切なさが入り交じって胸が苦しくなった。
私は麗奈のマンションに案内された。
「最近こういうのに凝っててね」と言いながら紅茶を入れてくれた。
「このクッキー美味しいよ」
勧められるがままに食べてみるとサクッとした食感と共に口の中に甘みが広がる。
「本当に美味しい……」
「でしょ? あたしの手作りなんだ。旦那も好きでさ」
「……」
その言葉と共に苦味が差した。麗奈は今幸せなんだろうなと思う。本当ならそれを喜ぶべきだろうが、私の腹の中にはどす黒い感情が渦巻いていた。
同じような境遇だった筈なのに何故ここまで違うのか……。なんで。なんで。なんで。
麗奈は結婚してからの話をした。夫はとても優しくて、母親と縁を切ることに協力してくれた。子供はまだいないけど毎日幸せだという。私は何も言えなかった。ただ黙って麗奈の言葉を聞くしかなかった。
「あんたは?」
麗奈は唐突に聞いてきた。私が首を横に振ると麗奈はやれやれと言いたげに肩を竦める。
「あんたもさ、さっさと良い人を見つけないと。いつまでもこんな生活続けてたらダメだよ」
「……」
「ほら、あたしだって昔はあれだったけどこうしてちゃんとやってるわけだし、人生は長いんだからさ、これからの事も考えないといけないんじゃないの」
「……」
「ねえ、聞いてるの?」
「……」
「ちょっと、何か言いなさいよ」
「……うるさい!」
私は衝動的に麗奈の首に手をかけた。麗奈の顔が歪み、首筋には血管が浮き上がる。
麗奈を害したいわけではない。だけど、彼女の幸せそうな笑顔を見る度に私は苛立った。
私がどんな思いで生きているのか知らない癖に、あんな風に笑って、まるで自分は幸福だと言わんばかりに……。
「ご、めん」
首を絞める力を強めていくと彼女は涙を流しながら掠れた声で呟いた。
「あんたが……そんなに辛かったのに……無責任な……こと……言っちゃって」
「黙って!」
憐れまれた事が許せなかった。ずっと底辺で一緒にいると思っていた麗奈はもう私を見下す立場にいたのだ。私は更に力を込める。麗奈の口から泡が溢れ出す。
そして…… ゴキン! 鈍い音がして麗奈は動かなくなった。
殺したのだ。私が麗奈を。
私は麗奈の体を抱え上げると寝室に移動してベッドの上に放り投げた。まだ温かいその体を眺めているうちに涙が出てきた。
「麗奈……」
私は泣きじゃくりながら彼女の体に覆い被さった。まるで心臓の鼓動が聞こえてくるような錯覚に陥る。私は自分の服を脱ぎ捨てると麗奈を抱いた。
「ああ、麗奈、麗奈」
麗奈が死んで悲しいのは紛れもない本心だ。だが同時に私の中の暗い独占欲が満たされていく。
麗奈を自分の元に引き摺り降ろした。もう離れない。永遠に一緒だ。
「愛している」
そう言って唇を重ねると、麗奈の両手を持って自分の首にあてがう。
そして──
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